訃報:小松左京さん死去、80歳…「日本沈没」の作家 「SFより現実の方がはるかに上」
1931年1月、大阪市生まれ。京都大学文学部イタリア文学科卒。一貫して「人類と文明」をテーマに膨大な作品を書き続け、73年に「日本沈没」で日本推理作家協会賞、85年に「首都消失」で日本SF大賞を受賞した。特に「日本沈没」は、当時の公害問題や石油危機などの社会不安を反映してミリオンセラーになり、映画やドラマにもなった。70年の日本万国博覧会(大阪万博)ではテーマ館のサブテーマ委員、90年の「国際花と緑の博覧会」では総合プロデューサーを務めた。
1995年、阪神大震災直後のインタビューで、日本における巨大地震の恐怖についてこう語っていた。(週刊ポスト1995年2月3日号より)
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実は、私は昭和48年に書いた『日本沈没』のなかで、マグニチュード7.6級の直下型地震によって退社ラッシュの時間帯に、高速道路の高架が傾いて、車が次々と落下して炎上するという表現をしたんです。もちろん昭和39年前後、首都高速が一部開通し、名神高速も開通したずっと後のことです。
この小説を発売した後、ある大学教授に呼ばれましてね。そこで「キミは高架の建築基準を知らないのかね。高速道路が傾くわけないだろう」といわれたんですよ。
確かに、その頃は、そうなのかなとも思ったし、映画化された時には、シーンにならなかったくらいなんです。ところが、今回の地震(阪神大震災)では、傾くどころか、完全に横倒しになってしまった。SFより現実の方がはるかに上回ったわけです。
日本はスペースが狭い。地価が高いということになると効率よく利用するために、立体交差するか地下を潜らせるしかない。そうすると、工期や費用の面から高架にする方が都合がいいわけです。
確かに高架は経済的にみて効率的ですが、今、もう一度考え直す機会がきたんじゃないでしょうか。
『日本沈没』の中に出てくる関西大震災では、震源地は六甲山ということになっていましたが、現実に地震を体験すると、絶望的になりますよ。日本は、本当に危ない。日本沈没はありえないにしても、どこで地震が起こっても不思議じゃない。
『日本沈没』と言えば、村野武範さんのテレビシリーズが思い出されます。
毎週どこかの都市が沈没するという展開で、東日本大震災後の今ではテレビ放送出来ないようなストーリーです。
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